子どもの教育費が毎月20万円にも及ぶ教育費破綻が招いたキャッシングからの借入、住宅ローン滞納。競売の申し立てを任意売却で解決して、生活再建へ

この解決事例の要点

子供の教育費(授業料・塾月謝・習いごと月謝・教材費・交通費・携帯代など)が毎月20万円。世帯全体の支出は60万円にも及び、ここ何年も毎月赤字の状態。キャッシングなどからの借入で帳尻を合わせるのも限界に達し、住宅ローンの滞納がかさんで、ついには競売の申し立てに。任意売却で住宅ローンを清算し、生活再建へ向けて新たなスタートを切られました。

ご相談者について

ご相談者鈴木康夫さん(仮名) / 当時 50歳 / 男性
お住まい京都府京都市右京区
物件マンション
ご職業夫: 会社員 / 妻: パート
ご家族構成妻と子3人(大学生2人と高校生1人)の5人暮らし
残債務3,500万円(住宅ローン)+教育ローン100万円(自宅担保)
ローン債権者東京三菱UFJ銀行(エムユーフロンティア債権回収)

ご相談の時期

鈴木さんが当社にお問い合わせいただいたのは、窓口が銀行から保証会社へと代わる代位弁済の期日を2週間程過ぎてしまった頃でした。数日前、どうなっているのかを銀行に問い合わせをしたところ、「競売手続きに移行しました」と言われたそうです。競売になってしまうことの旨は督促状にも記されていました。しかし、実際に担当者の口から「競売」という言葉を耳にしたとたん、これから起こるであろう現実に不安と恐怖を感じるようになったそうです。

ご相談内容

妻もパートに出ており、世帯収入は手取りで55万円程と比較的高い収入でした。しかし、子供にかかる毎月の教育費(授業料・塾月謝・習いごと月謝・教材費・交通費・携帯代など)はなんと20万円、世帯全体の支出(住宅ローン15万円、食費8万円など)も合わせると毎月60万円になります。毎月赤字の状態がここ何年も続いていました。その度に預貯金を崩していたのですが、大学進学にかかる入学金や突然の出費などもかさみ、ついに1年前に預金が底がついてしまいました。それ以来、クレジットカートのキャッシングなどから借り入れをして何とか帳尻を合わせていましたが、借金は膨れ上がるばかり。ついにそれも追いつかなくなり、住宅ローンを滞納するまでに至ってしまったのです。鈴木さんは子供達の生活環境は変えたくないという思いがあり、今の自宅には住み続けたいという希望をもっていました。そのため、個人再生かリースバック任意売却の検討をして欲しいというご相談でした。

ご相談者の希望

  • 今の自宅に住み続けたい
  • 個人再生(住宅ローン特則)、または、リースバック(住み続ける任意売却)を検討して欲しい

解決のための行動と結果

鈴木さんの「住み続けたい」というご希望ですが、結論から言うと不可でした。個人再生について、住宅ローン以外の借金(教育ローン)が自宅を担保にしていたこと、マンション管理費の滞納があったことが民事再生不可の理由です。リースバック任意売却は債権者が認める任意売却の応諾価格が3,000万円だったのですが、そうすると家賃が毎月20~25万円になってしまうのです。これまで毎月15万円の住宅ロ-ンの支払いができなかったのですから、これではまたすぐに滞納が始まってしまいます。ですので、そのような投資に協力してくれる投資家は現れないのが現実です。鈴木さんには、「今の自宅に住み続けること」と「子供達への教育」と、それらのどちらを優先するべきことかを再認識していただく必要がありました。

結果、自宅は手放し、少しでも出費をおさえる形で解決を図ることになりました。最終的に自宅は3,000万円で任意売却し、借金は700万円程残りました。そして、住宅ローンの毎月の返済額は15万円から2万円へと見直され、赤字生活からなんとか脱却することができるようになったのです。とは言え、子供達の学生生活はまだまだ続きます。決して楽な生活は待っていないでしょう。しかし、鈴木さんの子供達への思いはとても深いものを感じます。なんとか踏ん張って生活再建できるように頑張ってもらいたいと思います。

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この解決事例の著者

烏丸リアルマネジメント株式会社
代表取締役
矢田 倫基

宅地建物取引士
任意売却コンサルタント
NPO法人 住宅ローン問題支援ネット 理事

これまでに1,200件を超える住宅ローン返済・滞納問題を解決してきた、任意売却のエキスパート。数多くの住宅ローン困窮者を救ってきた面談は「心のカウンセリング」と呼ばれ、関西圏のみならず全国から相談者が後を絶たない。

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