後悔しない任意売却業者の選び方を教えてください

任意売却には不動産と法律の知識はもちろん、実際に任意売却をした経験・実績がどれくらいあるか?が重要です。しかし、それ以上に重要とも言えるのは担当者の人柄です。借金問題というナーバスな問題を扱うだけに、その担当者は信用に値するか? 人柄は重要な要素です。専門スキルと合わせて人柄も、依頼先を決める判断基準とするようにしてください。

任意売却業者とは?

任意売却業者とは?
「任意売却業者(会社)」は「任意売却コンサルタント」とも呼ばれ、不動産仲介業者(宅地建物取引業者)の中でも、特に任意売却を専門的に取り扱っている会社を指します。

街に良くある不動産会社とはまったく異なり、任意売却に関する高度な専門知識やノウハウを持つのはもちろん、銀行などの金融機関や信用保証会社をはじめとする住宅ローンの債権者との連絡網、さらにはそれらと合意・和解を得るための交渉能力に長けた、「任意売却のプロフェショナル」です。

もし、あなたが住宅ローンの支払いに困り、滞納を続けてしまうと、自宅はいずれ競売にかけられます。

競売で不動産を売却されると、一般的な市場価格(本来の価値)よりも圧倒的に低い価格で売却されますから、結果として住宅ローンの債務は多く残ってしまうことに。

しかも、強制的に自宅を売却されてしまった(奪われてしまった)にも関わらず、なお残る、住んでもいない家の住宅ローンを毎月返済していかなければなりません。さらには、今日・明日の生活も何とかやりくりする必要もあります。

むしろ、以前よりも負担は大きくなり、あなたの生活はさらに困窮していってしまいます。

ですので、住宅ローンの支払いに困ってしまい、売却する(処分する)と決めたならば、できる限り高い金額で、できるだけ早くに売却できる(手放せる)方が良いですよね。

それを実現できるのが「任意売却」であり、それを専門的に取り扱っている不動産仲介業者(宅地建物取引業者)が「任意売却業者」です。

後悔しない! 任意売却業者(会社)選びの基準

通常、不動産売却の相談先と言えば...自宅近くにある不動産会社、TV-CMなどを良く見る有名大手不動産会社を想起される方がほとんどでしょう。

ただ、住宅ローンがオーバーローン状態にあったり、住宅ローンを既に滞納していたりだと、どうでしょう? どこへ相談すれば良いのか困ってしまいますよね。

今どきでしたら多くの方は、インターネットで「住宅ローン滞納 相談先」などと検索されると思います。しかし、とても多くの会社や団体、さらには、弁護士事務所などのホームページが検索ヒット、今度はたくさんあり過ぎて、違いは何なのか? どこが良いのか? 何を基準にして選べば良いのか? がわからず困ってしまいます。

さらには当然のことですが、検索にヒットする会社や団体などは、これまで聞いたことのない会社・団体ばかりなのですから、ここで大丈夫なのか? と不安にもなります。

どの任意売却業者へ相談・依頼すれば良いのでしょうか?
どうやって選べば良いのでしょうか?

失敗や後悔はしたくないですよね? 時間の猶予もありません。

そこで今回、当社のホームページへ訪問されたあなただけに、任意売却業者を選ぶ基準をお教えします。

正しい基準で選べば、必ずあなたにとって頼もしいパートナーになってくれるハズです。

1. まずは、顔が見えること

今、このページをご覧になっているあなたのように、最近ではインターネット検索で任意売却業者をお探しになる方が多いです。

まず、その業者のホームページに代表者や相談員の顔写真、プロフィールなどが掲載されていますか?

そして、「この人(たち)なら相談できそうだ、任せられそうだ」という表情をしていますか? 合いそうですか?

目星をつけてみて、そして、会って話をしてみてください。人柄を確かめてください。
「合わないな」と感じたら、依頼は断れば問題ありません。

任意売却では、相談者と任意売却業者(人)がお互いに信用できることが絶対的に重要。
ですので、本音・本心で話し合いができる業者かどうか、しっかりと見極めましょう。

2. 信用を置ける会社であること

宅地建物取引業免許を持っていることはもちろん、その会社は不動産業界団体などへも所属していますか? 怪しい業者は諸団体への加入を避けたり、逆に拒否されていたりするものです。

また、所在地や電話番号、沿革などの会社情報はもちろん、交渉実績がある金融機関や保証会社などの情報も掲載されていますか?

社名でインターネット検索するのも良いでしょう。ネットクチコミなどで怪しい・否定的な情報がヒットする場合、その業者は選定から外すのが無難です。

3. 何より、十分な解決実績があること

解決実績数が一番の業者がベストとは限りません。ただ、解決実績数が多い方が知識だけでなくさまざまなノウハウを持っているものです。

知識やノウハウがあるほど、任意売却の成功率は高くなります。
そして、あなたの悩みや問題も解決できる可能性が高くなるのも当然ですよね。

その任意売却業者の社歴(相談員の業界経験年数)はどれくらいか?
解決実績数がどれくらいか? を必ず確認しましょう。

4. 債務整理にも強く、任意売却後の生活再建についてもアドバイスしてくれること

住宅ローンの返済でお困りの方は、消費者金融やキャッシングなどからの借り入れの滞納、クレジットカードの利用代金の滞納など、その他の借入の返済でもお困りのことが多いものです。

単に住宅ローンの返済が難しくなっただけではなく、そもそも、お金に関して困っておられ、そこから派生したさまざまな問題やお悩みを抱えてらっしゃいます。

ですので、任意売却はひとまずの解決手段に過ぎず、本当に大切なのはその後の「生活再建」。

つまり、任意売却後も残る住宅ローンの債務をどのようにして返済していくか?
さらには、その他の債務についてもどのように整理して(圧縮して)、どのように返済していくか? の方が、実は圧倒的に重要なのです。

多くはありませんが、任意売却後の生活再建についても相談に乗ってくれたり、アドバイスや提案をしてくれる任意売却業者が存在します。

そうした業者へ相談すれば、あとになって「そんな話は聞いていない」「こんなハズではなかった」のような後悔をなくせます。

5. 弁護士や司法書士といった法律の専門家との連携があること

4.で、「任意売却後も残る住宅ローンの債務をどのようにして返済していくか? さらには、その他の債務についてもどのように整理して(圧縮して)、どのように返済していくか? の方が、実は圧倒的に重要」とお話しましたが、これには弁護士や司法書士の協力が不可欠。

なぜなら、任意売却業者は任意売却をはじめとする不動産売買の専門家であり、債務整理や法律の専門家ではないからです(逆に、弁護士や司法書士は不動産売買の専門家ではありません)。

ですので、その任意売却業者は法律事務所と密接に連携しているか? もしくは、法律の専門家が社員にいるか? 常駐しているか? を確認しましょう。

こんな悪質・悪徳な任意売却業者には注意!

数十万円もの引越し費用、任意売却成功時にはご祝儀を現金で渡すと宣伝する業者は注意!

競売と比較したとき、任意売却であれば引越し費用をもらえることは、あなたが得られるベネフィット(便益)の一つであることは事実です。

ただ、一昔前には数十万円が相場である時代もありましたが、昨今では20〜30万円程度が相場です。

この引越し費用は、不動産の売却代金の中から捻出されるお金です。
また、仮に債権者(銀行)が期待する金額以上で高く任意売却できたとしても、上乗せされることはありません。過度な期待は禁物です。

さらに、任意売却成功時に任意売却業者が受け取る業務報酬は、一般の不動産売買のときと同じ、宅建業法で定められた金額です。誤解を招く表現になるかもしれませんが、敢えて言いますと「任意売却だから儲かる」ようなことは一切ありません。

つまり、数十万円もの引越し費用を出せたり、数十万円・数百万円ものご祝儀を渡したりといったことは、現実的に不可能なのです。

ではなぜ、そのような誇大な宣伝をする任意売却業者が存在するのでしょうか?

それは、集客が目的だからです。お金に困っている方にとって、数十万円もの引越し費用や数十万円・数百万円ものご祝儀というのは甘美に響き、つい話に乗ってしまうのです。

しかし、その後どうなるか? は明白です。「できませんでした」の一言で終わらされてしまいます。決して、そのような悪徳業者の口車には乗らないでください。

とにかく任意売却ばかり強く勧めてくる業者は注意!

先ほど、「住宅ローンの返済でお困りの方は、消費者金融やキャッシングなどからの借り入れの滞納、クレジットカードの利用代金の滞納など、その他の借入の返済でもお困りのことが多いものです。」とお話しました。

ところが、実は住宅ローン以外の借金をなくせば、住宅ローンの返済は可能となる方は少なくないのです。

具体的には、個人再生を利用して住宅ローンの他の借金を5分の1に圧縮し、生まれた金銭的な余裕を住宅ローンの支払いへ回せば、自宅を競売や任意売却で手放さずに済ませられることがあります。

もちろん、希望される方みなさんができるものではなく、一定の条件を満たす必要があることは付け加えておきます。

ただ、感の良い方はお気づきの通り、そうした解決方法を提案できるのは、法律事務所と密接に連携していたり、法律の専門家が社員にいたり、常駐していたりする任意売却業者のみです。そのため、任意売却業者(会社)選びの基準として「5. 弁護士や司法書士といった法律の専門家との連携があること」を挙げているいるのです。

一方で、そうした解決方法の提案すらせず、一方的に任意売却を強く勧めてくる任意売却業者は、あなたのことなど考えず、単にノルマ、売上のことばかり意識してします。

そうした業者へは、絶対に相談・依頼しないようにしましょう。

任意売却業者選びで、よくいただくご質問

近所の不動産屋、知人がいる不動産会社ではダメですか?

一般の不動産売買であれば、お住まいの地域に古くからある不動産屋や、フランチャイズ展開している不動産会社で構いません。ご知人が務める不動産会社があるならば、そちらの方が融通が利いて好ましいかもしれません。

しかし、任意売却となると話はまったく異なります。
一般の不動産会社は、債権が絡む不動産売買の取り扱いをしておらず、専門知識もノウハウも持ち併せていません。

任意売却も不動産売買であることに変わりありませんが、任意売却では銀行などの金融機関や信用保証会社をはじめとする債権者から、売却の同意を得る必要があります。そのための協議はもちろんのこと、引越し費用の捻出、固定資産税などその他滞納している税金、管理費の納付など、すべて協議・交渉により実現できるものです。

それが決裂してしまえば任意売却は失敗し、競売になってしまうことは往々にしてあります。

任意売却に関する高度な知識とノウハウ、経験、交渉力。
任意売却の成功にそれらを持ち併せているのが、「任意売却業者」です。

ですので、ご近所の不動産屋などではなく、必ず「任意売却業者」へ相談・依頼してください。

大手の不動産会社の方が、有利な任意売却をできますよね?

大手の不動産会社は、一般の不動産売買や賃貸仲介が主たる業務です。債権が絡む不動産売買である任意売却は行っていません。

と言いますのも、表現は適切ではないかもしれませんが、住宅ローンの債権者との協議・交渉、さらには、役所との未納税金の協議・交渉など、手間がかかるにも関わらず任意売却が成功しなければ業務報酬を得られないからです。失敗するとタダ働きになってしまうことに加え、業務報酬は宅建業法で定められた金額のみですので、これといって儲けと言えるような金額にはならないからです。人件費が高くつく大手企業では、任意売却で利益を得られません。

そのため、大手不動産会社で任意売却へ力を入れているところは少ないのです。
よって、任意売却に関する専門知識やノウハウも持ち併せていません。

ですので、会社の規模や知名度で選ぶのではなく、あなたが信頼でき、有利な売却へと導いてくれると確信できる任意売却業者へ相談・依頼してください。

銀行(債権者)から紹介された任意売却業者だから、任せれば大丈夫ですよね?

任意売却は債務者であるあなただけでなく、銀行などの債権者にもベネフィット(便益)がある不動産の売却方法です。

そのため、住宅ローンの滞納が重なってくると、銀行(債権者)から任意売却を勧めてくることがあります。さらには「任意売却業者も紹介しますので。」と言ってくることもあります(口頭だけでなく、手紙で知らせてくる場合もあります)。

もしあなた自身も、既に任意売却を検討されていたとしたら、銀行からの話は渡りに船のように感じられるかもしれません。

もちろん、勧められるままにその業者へ相談・依頼されるのも良いでしょう、
実際、当社も豊富な任意売却実績と信用を買われ、銀行から「このような債務者の方がいらっしゃるのですが...」と任意売却の依頼、ご相談者の紹介を受けることは良くあります。

ただ、少し冷静に考えてみてください。銀行から依頼や紹介を受ける当社が、このようなことをお話するのは少し妙な話に聞こえるかもしれませんが、銀行(債権者)から紹介される任意売却業者は、あなたにとって有利な解決をしてくれる保証があるでしょうか?

任意売却は、債務者にとっても債権者にとっても、お互いにベネフィットがある不動産売却方法であることに間違いはありませんが、それぞれの任意売却の目的は異なりますよね。

債務者(ご相談者・あなた)の目的
住宅ローンという借金を減らす(高く売却する)/ 住み続ける(リースバック)/ 引越し費用・生活準備金の確保 / 近隣に知られず売却したいなど
債権者(銀行など)の目的
少しでも多く住宅ローンという融資(債権)を回収したい

邪推すると、銀行(債権者)から紹介された任意売却業者は、銀行(債権者)にとって有利となるように任意売却を進めていく可能性がある。そのようにも考えられるのは、自然なことですよね。

つまり、銀行(債権者)から紹介された任意売却業者へ相談・依頼するのか? それとも、自分で探して「ここへ任せよう!」確信できた任意売却業者へ依頼するか? で、任意売却の結果は大きく変わる可能性があるということです。

ですので、任意売却業者は、必ずご自身でを決めるようにしましょう。

お金の問題だから、弁護士や司法書士へ相談すれば良いのですよね?

債務整理に関するTV-CMの影響はとても大きく、「住宅ローンの滞納はお金の問題。だから、法律事務所へ相談すれば良いよね?」とお考えになる方は多いようです。

しかし、任意売却の相談先としては適当ではありません。なぜなら、弁護士や司法書士は法律の専門家ではありますが、任意売却の専門家ではないからです。

もちろん、依頼すれば「住宅ローン滞納 = お金の問題」として対応はしてくれるでしょう。しかし、弁護士・司法書士は不動産売買業務をできませんので、結局、不動産会社を紹介されることになります。

任意売却業者を紹介してもらえるハズですが、当ページで何度もお伝えしている通り、あなたにとって頼もしいパートナーになってくれるかはわかりません。ましてや、任意売却にただ成功するだけでなく、相談者であるあなたの希望をどれだけ反映できた形で成功させられるかは、もっとわかりません。

不動産売買の専門家ではない弁護士・司法書士へ相談されたがために、任意売却で解決できるものを自己破産などの債務整理、法律的続きで解決されてしまった例もあると耳にしたこともあります。

住宅ローンの滞納の他、消費者金融やキャッシングなどからの借り入れの滞納、クレジットカードの利用代金の滞納など、その他の借入の返済でもお困りの場合は、もちろん、弁護士や司法書士の協力を仰ぐ必要がありますが、任意売却についてはまず、あなたが任意売却業者へ相談しましょう。

任意売却からすま相談室へ相談する

この回答の著者

烏丸リアルマネジメント株式会社
代表取締役
矢田 倫基

宅地建物取引士
任意売却コンサルタント
NPO法人 住宅ローン問題支援ネット 理事

これまでに1,200件を超える住宅ローン返済・滞納問題を解決してきた、任意売却のエキスパート。数多くの住宅ローン困窮者を救ってきた面談は「心のカウンセリング」と呼ばれ、関西圏のみならず全国から相談者が後を絶たない。

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