任意売却に失敗することはありますか? その原因は何ですか?

はい、失敗することはあります。その主な原因には、①入札開始までの時間がない、②債権者が主張する販売価格が実際の相場(市場価格)以上である、③共有者の同意を得られない​、④税金等の滞納を理由に差押えしている役所から協力を得られない、⑤内覧ができない、⑥任意売却専門会社が力不足である、が挙げられます。

任意売却は100%成功するものではありません。ですので当然、失敗に終わってしまうことがあります。

なぜ失敗してしまうのでしょうか? 任意売却に失敗してしまう主な原因を6つご紹介します。

① 入札開始までの時間がない

通常の不動産売却とは異なり、任意売却には時間の制約があります。

特に競売の申立てがなされ、入札まで残りわずかな時間しかないような場合においては、その時間内に債権者の同意を得られなかったり、購入者が現れなかったりして任意売却できない(任意売却まで至らない)場合があります。

住宅ローンの返済に限らず、お金の問題は自然と解決することはありません。放っておけばおくほど、タイムリミットに近づくだけです。
ですので、困った時は早め、早めに債権者である金融機関や私どものような住宅ローン返済問題解決の専門家・専門会社へご相談ください。

② 債権者が主張する販売価格が実際の相場(市場価格)以上である

当然のことですが、債権者は少しでも多く残債務を回収したいと考えますから、できるだけ高く売るよう求めてきます。

もちろん、高く売れるに越したことはありません。なぜなら、債務者としても借金が少なくなるからです。しかし、あまりにも相場(市場価格)とかけ離れた高い金額での売却を債権者が主張した場合には購入者が現れず、結果として任意売却が失敗に終わることがあります。

③ 共有者の同意を得られない

任意売却に限らず、不動産の売却には所有者の売却同意が必要です。
その不動産に複数の所有者、つまり、共有者がおり、そのうちの一人でも売却に協力してくれなければ、任意売却は行えません。

④ 税金等の滞納を理由に差押えしている役所から協力を得られない

不動産に差押えが付いている場合、その差押えをしている債権者の同意を得なければ、任意売却は進められません。

そうした差押え権者として、役所は代表的な存在です。税金の滞納額が数百万円と高額であったり、その納税意思がまったく感じられないと判断されてしまったりすると、任意売却に協力してくれない場合があります。

税金を滞納しないのが一番ですが、もし払えず滞納してしまった場合は、役所へ足を運んで支払いを意思があることをお伝えになることをオススメします。

⑤ 内覧ができない

投資用マンションの任意売却では内覧を行わないこともありますが、そうでなければ概して、購入者は内覧をした上で購入の意思決定をします。
ですので、任意売却において内覧は必須とされます。

一方、競売では内覧をすることなく書面の情報のみで購入者が決定されます。ただ、その分だけ安くなったり、所有者(債務者)の希望は反映されなかったりするのです。

⑥ 任意売却専門会社が力不足である

当然のことですが、依頼された不動産会社が任意売却専門会社として力不足であれば、まとまる話もまとまりませんし、得られるハズの同意も得られず、任意売却は失敗します。依頼された任意売却専門会社が持つ力次第で、任意売却の成功率は随分変わります。

このご時世ですから、多くの方はインターネット検索で任意売却の相談・依頼先をお探しになると思います。その際、十分な実績があるか? また、信用できる会社か? 良くよくお確かめになってください。「近所の不動産会社だから」「知人の不動産会社だから」などの理由で、任意売却業務の取り扱いや実績がない不動産会社へ依頼されると、まず失敗します。

任意売却からすま相談室へ相談する

この回答の著者

烏丸リアルマネジメント株式会社
代表取締役
矢田 倫基

宅地建物取引士
任意売却コンサルタント
NPO法人 住宅ローン問題支援ネット 理事

これまでに1,200件を超える住宅ローン返済・滞納問題を解決してきた、任意売却のエキスパート。数多くの住宅ローン困窮者を救ってきた面談は「心のカウンセリング」と呼ばれ、関西圏のみならず全国から相談者が後を絶たない。

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