経営不振で住宅ローン滞納、競売の申立て。毎日何時間も待ち伏せする迷惑業者を「勧誘拒否通知」で撃退、任意売却・競売の取り下げで、生活再建の一歩の踏み出しに成功
この解決事例の要点
自営業の経営不振で、会社を存続させるだけで精一杯。生活と住宅ローンの返済は、妻のパート収入頼みに。「これ以上、切り詰めた生活は難しい」状況まで至り、住宅ローン滞納、競売の申立てへ。毎日何時間も仕事帰りを待ち伏せる迷惑な訪問業者の撃退と、任意売却を当社へご相談いただきました。迷惑な訪問業者は「勧誘拒否通知」で撃退、任意売却・競売の取り下げで、生活再建の一歩の踏み出しに成功しました。
ご相談者について
ご相談者 | 小泉孝之さん(仮名) / 当時 58歳 / 男性 |
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お住まい | 京都府京都市西京区 |
ご職業 | 自営業 |
ご家族構成 | 妻と2人暮らし(子2人は既に独立) |
残債務 | 2,000万円 |
ローン債権者 | 京都信用保証サービス(京都銀行) |
ご相談の時期
小泉さんがご相談にいらっしゃったのは、銀行から競売の申立てがなされて間もなく、ご自宅には毎日のように任意売却の話を持ち掛ける怪しげな訪問業者が訪れていた時期でした。
「この状況をなんとかしたい」とご友人に相談されたところ、当社の存在をご存知になり、ご相談にいらっしゃいました。
ご相談内容
小泉さんは自営業で輸入関係の商社を営んでいましたが、3年程前から業績不振に。今では会社を維持させることが精一杯で、奥さまのパート収入で何とか生活できている状況でした。
住宅ローンの支払いができなくなったのは半年程前。それまでは何よりも優先して住宅ローンだけは返済をされていたそうですが、「これ以上、切り詰めた生活は難しい」という状況にまで至り、住宅ローンの滞納がはじまってしまったそうです。
奥さまの手取り17万円の収入に対し、住宅ローンの返済額は10万円。小泉さんは自宅を売却し、家賃が安い家へ引っ越したいというご相談でした。
そして、もう一つ。小泉さんは悩まされていました。自宅を訪れる、訪問業者の存在です。競売の申立てがなされたことで、小泉さんの名前や住所が裁判所で公開されて以来、毎日のように任意売却を持ち掛ける業者が訪れるようになったのです。
仕事帰りの小泉さんを何時間も、家の前で待っている人が何人もいるというのです。しかも、どの人も出立ちが尋常ではなく、近所でもその噂が広まっているほどでした。「この状況を何とかして欲しい」ということも、小泉さんのご相談の一つでした。
ご相談者の希望
- 自宅を売却し、家賃が安いマンションに移り住みたい
- 引っ越し費用が欲しい
- 自宅に訪れる怪しい訪問業者を撃退して欲しい
解決のための行動と結果
小泉さんの住宅ローンの残債務は2,000万円。それに対して、ご自宅の資産価値は1,500万円程だったため、任意売却をすることで債権者との調整を開始。
債権者は、裁判所の評価額(評価書に記される査定額)を参考にして任意売却の販売価格を決めたいとのことでした。しかし、その評価額が出るのは1ヶ月後。債権者が裁判所の評価額を参考にすることは良くあることなのですが、訪問業者に悩まされている小泉さんにとって、1ヶ月もの時間は待てるものではありません。
そこで、頻繁に訪れる迷惑な訪問業者に対して、当社から「勧誘拒否通知」なる書面を送付しました。
「勧誘拒否通知」とは、特定商取引法で定められている法律で、訪問販売業者に対して契約しない旨の意思を表示し者に対し、契約締結についての勧誘をしてはならないというものです。これを一斉に送付したところ、訪問業者はほとんどなくなりました。それでも何社かはしつこく家を訪ねて来ることがあったものの、次第に来なくなりました。
そして、1ヶ月が経過。裁判書の評価書が完成し、債権者と任意売却の販売価格を決める協議が始まりました。結果,当社の予想通り1,500万円の価格で販売活動を行う方向となりました。
しかしながら、評価書が完成するまでのこの1ヶ月間、実は水面下で販売活動を行っていました。ですので、興味を示している購入希望者には既に内覧を済ませており、価格面で問題なければいつでも購入してもらえるように準備をしていました。結果、予想通りの販売価格でしたので、買主さんにはスグに不動産購入申込書を書いていただき、債権者にその旨を報告。スグに許可され、契約を行いました。
3週間後には決済を行い、無事に競売の取り下げに成功しました。
小泉さんは2LDKの賃貸マンションへ引っ越しされ、ご夫婦二人で住んでおられます。以前よりは狭くなりましたが、毎月10万円の住宅ローン返済から解放されたことで、気持ちがラクになったとおっしゃっています。
しかし、生活再建に向けて環境が整ったか? を考えると、あまり素直には喜べないのが実情ではないでしょうか。と言いますのも、住宅ローンの毎月の返済額が10万円だったところ、毎月の家賃が6万円に下がっただけで、負担がさほど軽くなったわけではありません。
やはり、奥さまのパート収入17万円のみでは、厳しい生活は続くでしょう。生活再建のためには、採算が合わなくなった自営業を廃業することも、視野に入れて考えなければならないと思われます。
生活再建できるか?は、小泉さんの決断と今後のがんばりに掛かっているのではないでしょうか。